免許制度と手続 二俣川フルビット物語 〜運転免許完全取得への道〜


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 技能試験実施基準 − 採点基準

■ 概要


二俣川の技能試験の採点は、神奈川県道路交通法施行細則に基づいて行われます。同細則の別表第1の3、「技能試験等実施基準」が採点の根拠です。こちらには、場内試験課題設定基準・路上試験課題設定基準・技能審査実施基準・オートマチック限定普通免許に係る技能審査課題設定基準などと並んで、課題の履行条件・採点基準・中止事項・合格等の基準が定められています。

本稿では、これらの内容を表に起こし、まとめてみました。さらに、実際に幾度となく技能試験を経験した実績に基づく注釈なども加え、利便性を高めております。ご参考までにどうぞ。


■ 採点基準
区分 減点細目 減点数 減点事項
路上 場内
安全措置
及び
運転姿勢
安全措置不適 5 5 運転に必要な安全措置をしない場合。
安全措置不適(ベルト)
10 10 運転に必要な安全措置(シートベルト)をしない場合。
運転姿勢不良(四輪)
5 5 正しい姿勢で四輪車の運転をしない場合。
運転姿勢不良(二輪)
10 正しい姿勢で二輪車の運転をしない場合。
発進 アクセルむら D D アクセルとクラッチの調和が不円滑な場合。
エンスト I D 操作不良等のためエンジンの作動が停止した場合。
逆行(小) 10 10 進行しようとする反対方向に逆行した場合。
二俣川では場内・路上ともに路面が若干傾斜しており、その対策が足りないと、これに陥ることがあります。
逆行(中) 20 20 進行しようとする反対方向に著しく逆行した場合。
逆行(大) 進行しようとする反対方向に逆行し危険な場合。
概ね1m以上逆行した場合はこちらです。試験中止。
発進手間どり
I D 判断不良又は操作不良のため発進に手間どった場合。
発進不能 発進に著しく手間どり他の交通に支障を及ぼすおそれがある場合。
速度維持 指定時間過不足
5 直線狭路台を決められた時間以上をかけて走行しない場合又は連続進路転換コースを決められた時間以下で走行しない場合。
速度維持(課題外)
I I 加速緩慢などのため必要な速度を出せない場合。
速度維持(課題)
10 指示された速度を出さない場合。
指定速度到達不能
指定速度からの急停止で、指示した速度に達しない場合。
合図
及び
安全確認
合図不履行等(発進)
5 5 路端から発進する場合に進路を変えるための合図が不適切なとき。
合図不履行等(進路変更)
5 D 同一方向に進行しながら進路を変える場合に法第53条第1項又は第3項に違反したとき。
合図不履行等(右左折)
5 D 右折又は左折する場合に、法第53条第1項又は第3項に違反したとき。
安全不確認
10 10 法第36条第4項前段、法第33条(停止を除く)、法第71条第1項第4号の3に違反した場合又は安全確認が必要な場合に安全を確認しないとき。
直接目視の不足や見るべきミラーを見ていないなど、すべての安全確認漏れはこの減点です。割と大きいので注意。非常によくある減点です。
制動 惰力走行
D D エンジンブレーキを活用しないで惰力走行した場合。
惰力走行(坂道)
5 5 坂道でエンジンブレーキを活用しないで惰力走行した場合。
制動操作不良
D D ブレーキの構えをしない場合、ブレーキを数回に分けて踏まない場合、一時停止中にブレーキをかけていない場合、路端停車中にシフトレバーをニュートラルとせず、又はサイドブレーキを引かずブレーキ等によるブレーキを利かせていない場合、二輪車でブレーキ側の足をついて停止若しくは発進した場合又はブレーキ操作が円滑でない場合。
制動操作不良(クリープ)
10 5 停止状態を保持すべき場合にクリープ現象のため移動したとき。
前後輪ブレーキ不使用
10 二輪車において制動時に前輪ブレーキ及び後輪ブレーキを使用しない場合。
速度速過ぎ(小)
10 10 道路及び交通の状況に適した速度より速い速度の場合(徐行義務のあるときを除く)。
速度速過ぎ(大)
20 20 道路及び交通の状況に適した速度より速度が著しく速過ぎる場合(徐行義務のあるときを除く)又はカーブ内でブレーキをかけた場合。
急停止区間超過
指定速度からの急停止で、停止区間内に停止できない場合。
暴走 ブレーキ操作又はアクセル操作不良のため暴走した場合。
操向 切り返し
10 5 操作不良又は判断不良のため切り返しをした場合。
急ハンドル 10 10 走行中に急激なハンドル操作をした場合。
ふらつき(小)
10 10 ハンドル操作が不安定な場合又は二輪車のバランスを保てない場合。
ふらつき(大)
20 走行中に大きくふらついた場合。
転倒 二輪車で車体を倒した場合。
通過不能 1. 切り返しをしたため他の交通に支障を及ぼすおそれがある場合。
2. 直線狭路コース、連続進路転換コース、波状路コース及び狭路コースを通過できない場合。
車体感覚 停止位置不適
5 5 停止したが、停止線の直前で停止しない場合又は指示した場所に車体の指定箇所を一致させて停止しない場合。
巻き込み防止措置不適
10 5 四輪車が左折する場合に、巻き込みを防止する措置をしないとき。
「寄せが甘いよ」と言われたことはありませんか? その「寄せ」の一つが、この巻き込み防止措置のことです。
側方等間隔不保持
20 20 車体の周囲に安全な間隔を保たない場合。
三ツ境駅北口付近でしばしばこの減点が発生します。可動物・不動物ごとの安全な間隔を、憶えておいてください。忘れているならば直ちに調べておいてください。
脱輪(小) 10 5 車輪を縁石などに接触させた場合又は車輪の一部をコース側端から逸脱させた場合。
脱輪(中) 20 四輪車で車輪が縁石又はコース側端から逸脱した場合直ちに停止したとき。
脱輪(大) 車輪が縁石又はコース側端から逸脱した場合(四輪車で直ちに停止しない場合を含む)。
接触(小) 20 車体が障害物に軽く接触した場合。
接触(大) 接触事故となるおそれがある場合。
後方間隔不良
10 大型乗用自動車において後退をし、後部車体と障害物の間に指示した間隔が保てない場合。
通行区分 路側帯進入
20 法第17条第1項又は法第47条第3項に違反した場合。
通行帯違反
10 5 法第20条第1項若しくは第2項に違反した場合又はみだりに車両通行帯からはみ出した場合。
追いつかれ義務違反
10 法第27条第1項又は第2項に違反した場合。
バス等優先通行帯違反
10 法第20条の2第1項に違反した場合。
軌道敷内違反
10 法第21条第1項、第2項又は第3項に違反した場合。
右側通行 法第17条第4項に違反し、又は同条第5項に該当する場合で道路の中央から左の部分に障害物があり、反対方向からの交通を妨げるおそれがあるにもかかわらず、道路の中央から右の部分にはみ出したとき。
所謂「逆走」です。センターラインを踏んだだけでもこの細目の対象となりますので、牽引などでもご注意ください。踏切の前後は特にご注意を。
安全地帯等進入
法第17条第6項に違反した場合。
進路変更 進路変更違反(狭路コース)
5 狭路コースへ左折する場合に法第34条第1項前段に違反したとき。
進路変更違反(交差点)
10 5 法第25条第1項前段、第2項前段、法第34条第1項前段又は第2項前段に違反した場合。
進路変更禁止違反
20 10 法第26条の2第1項又は第3項に違反した場合。
後車妨害 法第26条の2第2項に違反した場合又は進路変更の時機を失い車両の妨害となった場合。
直進
右左折
右左折方法違反
5 5 法第34条第1項後段又は第2項後段(いずれも徐行を除く)に違反した場合。
安全進行違反
10 10 法第36条第4項後段に違反した場合。
徐行違反 20 20 法第25条第1項、第2項(いずれも徐行のみ)、法第31条ただし書、法第34条第1項後段、第2項後段(いずれも徐行のみ)、法第36条第3項又は法第42条に違反した場合。
徐行義務がある場所や状況を完全に把握していないと、路上試験でこの細目の餌食となることになります。
進行方向別通行区分違反
20 10 法第35条第1項に違反した場合。
交差点等進入禁止違反
20 20 法第50条第1項若しくは第2項に違反した場合又は黄色の信号が表示された場合において停止位置に近接しているため安全に停止することができないにもかかわらず横断歩道若しくは自転車横断帯又は交差道路に入って停止したとき。
信号無視 法第7条に違反した場合。
優先判断不良
20 10 法第36条第1項、第2項、法第37条、法第43条後段に違反するに至らないが先行できる車両等に進路を譲らない場合又は法第25条の2第1項に違反した場合。
進行妨害 法第36条第1項、第2項、法第37条又は法第43条後段に違反した場合。
交差点に進入して赤信号にハマってしまった場合などにもこの細目が適用されます。試験中止です。
指定場所不停止 法第43条前段に違反した場合。
一時停止(止まれ)にも拘らず、完全に停止しない場合、無条件でこの細目が適用されます。普通二種等、普段の何気ない癖が出るのでご注意を。
課題不履行 10 技量未熟等のため余裕を持って行える状況にもかかわらず、停車又は転回をしない場合。
歩行者保護等
泥はね運転
10 10 法第71条第1項第1号に違反した場合。
横断者保護違反 20 法第38条第1項前段、第3項又は法第71条第1項第3号に違反した場合。
歩行者保護不停止 法第17条第2項、法第25条の2第1項、法第31条(ただし書を除く)、法第38条第1項後段、第2項、法第71条第1項第2号、第2号の2に違反した場合又は横断歩道若しくは自転車横断帯のない場所における横断者の通行を妨げた場合。
意外なほど多いのがこの細目に該当して試験中止となるケースです。横断者がいたら、この細目を思い出してください。私は何度もこれでやられています。
安全間隔不保持 法第18条第2項に違反した場合。
再び安全な間隔に関する細目です。相手が歩行者の場合は試験中止になってしまいますので特にご注意を。
最高速度、
踏切通過
及び
駐車等
踏切内変速 5 5 踏切を通過する場合に変速装置を操作したとき。
駐車措置違反 5 5 法第71条第1項第5号に違反した場合又はその他車両の停止状態を保つための措置をしない場合。
警音器使用制限違反等
10 10 法第54条第1項又は第2項に違反した場合。
急ブレーキ禁止違反
10 10 法第24条に違反した場合。
車間距離不保持
10 10 法第26条に違反した場合。
駐停車方法違反
10 5 法第47条第1項、第2項又は第3項に違反した場合。
緊急車妨害 20 法第40条第1項、第2項、法第41条の2第1項又は第2項に違反した場合。
合図車妨害 20 20 法第25条第3項、法第31条の2、法第34条第6項又は法第35条第2項に違反した場合。
速度超過 20 20 法第22条第1項に違反した場合又は指示した速度を超過した場合。
踏切不停止等 法第33条第1項(安全確認を除く)、第2項又は法第50条第2項(踏切のみ)に違反した場合。
追越し違反 法第20条第3項後段、法第28条第1項、第2項、第4項、法第29条又は法第30条に違反した場合。
割込み 法第32条に違反した場合。
安全運転義務違反 法第70条に違反したため試験官補助をした場合。
安全運転意識 10 他の交通に迷惑を与えたり危険を及ぼしたりして安全に運転しようとする意識がない場合。
駐停車違反 20 法第44条に違反した場合。
指定場所停車(特に直前合図)の課題で、交差点から5m以内やバス停半径10m以内に停めてしまった場合、この細目に該当します。確実に取られます(それを見極めるのが課題ですから)ので、ご注意を。
駐車違反 10 法第45条に違反した場合。
通行禁止違反等 法第8条又は法第25条の2第2項に違反した場合。
※○数字は、1回目では減点せず、2回目があった場合に1回目に遡り減点する特別減点細目を表す。
中止事項 危険行為等(場内試験) 逆行(大)、発進不能、指定速度到達不能、急停止区間超過、暴走、転倒、通過不能、脱輪(大)、接触(大)、右側通行、安全地帯等進入、後車妨害、信号無視、進行妨害、指定場所不停止、安全間隔不保持、踏切不停止等、追越し違反、割込み、安全運転義務違反。及び、試験放棄(ギブアップ)。
危険行為等(路上試験) 逆行(大)、発進不能、暴走、ふらつき(大)、通過不能、脱輪(大)、接触(大)、右側通行、安全地帯等進入、後車妨害、信号無視、進行妨害、指定場所不停止、歩行者保護不停止等、安全間隔不保持、踏切不停止等、追越し違反、割込み、安全運転義務違反、通行禁止違反等。及び、試験放棄(ギブアップ)。
試験官補助 試験中に、危険を回避するため試験官がブレーキ又はハンドルを操作した場合。口頭による補助は必ずしも含まれないようです。
減点超過 減点の合計点によって、合格等の基準に定める成績を得ることができないことが明らかになった場合。
指示違反 試験の実施又は危険の防止のための指示をしたにもかかわらず、これに従わない場合。
合格等の
基準
二種免許 第二種免許に係る技能試験、技能再試験又は技能審査にあっては、80点以上の成績であること。
一種免許 第一種免許又は普通仮免許に係る技能試験、技能再試験又は技能審査にあっては、70点以上の成績であること。
大型・中型仮免許 大型仮免許に係る技能試験にあっては、60点以上の成績であること。




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