関連資格取得記 二俣川フルビット物語 〜運転免許完全取得への道〜


 一級小型船舶操縦士免許編

■ 概要


小型船舶操縦士の免許は、船舶職員及び小型船舶操縦者法に定める海技従事者の一つであり、道路交通法に基づく各種の運転免許と同様、国家資格です。

このうち、一級小型船舶操縦士は、小型船舶操縦士の資格体系の中では最上位に位置付けられるものであり、水上オートバイを除く総トン数20トン未満の船舶(≒小型船舶)について、航行区域無制限の操縦資格が与えられます。 ※ 100海里以遠など別の制限が掛かるものもありますが。

道路交通法に基づくフルビット免許証の派生・関連資格、というには少々苦しいところですが、少なくとも同じ運転・操縦系の免許であること、艇を陸上に保管している場合は牽引一種等の免許を駆使して運搬する必要があること、及び他に妥当な掲載先が自サイト内に見つからないことに鑑み、取り敢えずこの二俣川フルビット物語の付属コンテンツという形でここに掲載しておくことと致します。(^-^ヾ


■ 技能講習当日の記録 〜 当時のmixi日記より


一級小型船舶 一級小型船舶

2007.04.28 (Sat)

学科初日である。開講は9:00なのだが、事前に送付されていた案内には「初日は8:45集合」とあったので、現地には8:30に入れるよう、8:20過ぎに徒歩で出発。

今回お世話になるのは、JEIS横浜(横浜海技専門学院)というところ。地図で言うとこんな感じ。丁度、この地図の「横浜船員教育センター」の場所である。

……ええ、殆ど場所だけで選びましたが何か?( ´_ゝ`)

一応、事前にネットで評判は調べた上で、他よりも教習内容が充実していることであるとか、その代わりほんの少し料金が高めであることは把握していたものの、決定打はやはり近さに尽きる。学校の建物と船着場の距離を1として船着場から2の距離に自宅が存在するという立地条件な訳で。。。

# 註;当時のお話です。2007年当時はビューコート小港というところに住んでいました。

指定教室に入り、ハンコを使う事務手続きやオリエンテーションの後、学科教習。一級10名弱、二級10名弱の合同である。約1名、遅刻してくるわ講義中に携帯を使いに無断で教室を出て行くわというジジイな受講生がいたものの、それ以外は別段何の変哲も無い受講生層かと。どんな層に近いかと問われれば、情処で言えばシステム監査やシステムアナリストの受験者層に近いかも知れず。まあそんな年齢・雰囲気である。ちなみに、女性は皆無だった。

学科の内容は、今日は「小型船舶の船長の心得および遵守事項」と「水上の交通ルール」の2編で、通常の学科教習のみ。明日が、「運航(一般)」の通常の学科教習と、終了後は2日間の学科教習全体を通した試験、の予定である。

内容的には然程難しいものではない。自社製にしては随分豪華なフルカラー教本を中心に、割と専門的なことも拾っていくのだが、問題集も都度講義で通り、試験ではどんな風に出題されるのかも丁寧に教えてもらえる(問題を教えてもらえる訳ではないので念の為)ので、まともなアタマでまともに講義を聞いていれば基本的には誰でも試験をパスできる。

……はずなのだが、廊下に貼り出されている試験の合否の番号表では、学科試験で不合格を喰らっている輩も見て取れた。んー。

最大の敵は、やはり今回も睡魔。今回は小型移動式クレーンの時と違って教材ビデオの視聴も無く講義時間も長めなので、なかなか辛かった。

2007.04.29 (Sun)

学科教習は先に書いた通り「運航(一般)」。船体・設備・装備品、機関の取扱い、操縦、航海の基礎、気象・海象、事故対策、といった割と重いところが並ぶ。加えて、夕方には昨日の分も含め全体を通した学科試験が待つというなかなかなヘビースケジュールである。

ちなみに昨日いた常識を弁えないジジイは欠席。めでたしめでたし。

学科は本日も問題無し。「気象・海象」をやっていて、小型船舶とはまた別の某資格に興味関心が向けられたことを予めここにお断りしておく。(をぃ)

学科試験もほぼ問題無し。間違えたのは、海上衝突予防法上、黒色球形形象物・黒色菱形形象物・黒色球形形象物の順に表示されている船舶が何かという問題で操縦性能制限船とするべきを運転不自由船としてしまったこと程度で、他は殆ど正解のはず。取り敢えず、余裕で帰宅。

2007.05.03 (Thu)

いよいよ実技である。学科教習は全部で4日間あるというのに、実技教習は今日だけ。当然のことながら実技教習のみならず実技試験まで今日やってしまうという忙しさである。非常に重要な日なのだが、事もあろうに昨夜は呑み会。結局のところ、午前様だった。(# ^ω^)ビキビキ

おまけに中途半端に飲酒量の自主規制を設定したがために何となく悪酔い&絡み酒気味になった感は否めず。だーかーらー、変な呑み方しちゃいかんというのに。……ったく。しょーもない。

強靭な肝臓の働き&昨夜の自主規制により、朝起きた時点で完全に覚醒。……が、強靭ではない胃腸の働きにより、いつもの通りあまり腹の調子は良くない状態。自業自得とはいえなかなか辛い。

実技は、ここの場合はマンツーマンである。まず、発航前準備や点検の作法、方位測定方法、ロープワークなどから。……ロープワークは、まあ言うまでもなく難しい訳だが、結局、昼休みに自主特訓して係留に使う巻き結びともやい結びだけ体得したことを予め書いておく。

なお、もやい結びはその輪っぱっぷりといい固さといい、樹○方面においても使えそうだなぁ、との所感を持ったことを付記しておく。(^ω^;)

桟橋周りでのそれらの指導が終わったところで、いよいよ操船開始。桟橋の前の、というよりは本当に我が自宅マンション前の水域で安全確認・発進・直進・停止・後進といった基礎的な動きをやった後、一路、根岸湾へ。

経路としては、本牧橋をくぐり本牧埠頭のA・B突堤間を進み、ベイブリッジの沖側で転針。D突堤先端の横浜港シンボルタワーの沖でも転針し、南本牧の内側を通り、根岸線新杉田駅の東に位置する根岸湾(磯子湾)へ。

もー、小さな波でも跳ねる跳ねる。

全長16、7フィート、定員5名の小さな船だから仕方がないとはいえ、小船だとこうもドタンバタンするとは。ところが教官殿曰く「今日はいちばん静かな方ですよ( ´_ゝ`)」とのことであるし。なかなかしんどかった。

教習自体は特段問題無く、はまらず、もちろん酔うこともなく、蛇行や人命救助(浮かべたブイを拾い上げる)も難なく終了。再び来る時と同じルートで我が自宅マンション前まで戻り、今度は接岸・離岸の訓練。これも、特筆すべき苦労はせず無事終了。最後に桟橋に接岸して、係留。……ここでひたすら苦労したので、昼休みに自主的にロープワークの練習をすることにした次第。すみません、操縦は問題無いのですが……。(´・ω・`) ショボーン

昼休み後、再び我が自宅マンション前の水域で接岸・離岸や人命救助の復習をした後、いよいよ試験。今日はもう1人の受講生と2人だけで、教官がそれぞれマンツーマンで付いていたのだが、試験では決まりがあるらしく、艇を変え、もう1人の方に付いていた教官が試験官となった。

試験も何やら気分的には復習的だったのだが、取り敢えず順調に進む。桟橋周りの諸々に始まり、接岸・離岸や後進、人命救助などを自宅マンション前の水域でさっさと終わらせ、再び根岸湾へ。途中で回避など課題を行い、根岸湾では蛇行のみ。

もう1人の到着が少し遅れたためしばらく根岸湾の上でぷかぷか。流石に小船なだけに心底ゆったりとはいかなかったが、海風や波を直接的に感じられるこれはこれで良いかなぁ、などと思ったり。

やがてもう1人がやって来て課題を終えたため、帰港の途へ。到着後、係留。……もやい結びは問題無かったのだが、簡単だと思っていた巻き結びが若干手間取ってしまった。ううむ、不覚ぢゃ。

ともあれ、「全体的には上手で良かったです」という実質的な当確のお言葉も戴けたことであるし、まあ、取り敢えず良かったかなぁ、というところかと。

というところで、一級小型船舶操縦士取得の最大のヤマである実技は終了。……読み返してみると何やら長文になってしまっているようだが、これは某サイトへのコンテンツ追加に際してこのまま再利用することを念頭に置いているためなので、ご容赦の程を。

2007.05.05 (Sat)

二級小型船舶操縦士であれば前回の実技までのカリキュラムで取れたのだが、一級小型船舶操縦士ということで、二級にはない「上級運航T・U」という学科を課せられる。内容的には、気象・海象や機関関連については前回の学科の内容に毛が生えた程度のものなのだが、航海計画の一部として、海図が入ってくることになる。(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

取り敢えず、特に予習をすることもなく(コラ)、8:30頃に現地入り。まあ現地と言っても前回同様、自宅の目と鼻の先なのだが。

教室も同じなのでそのまま入る。……と、二級や旧四級保持者のための一級進級コースとの合同であることが判明。おまけに一級コースは本日は9:30からだったことも発覚。時間差を利用して進級コースの人々へのオリエンテーションが行われる、ということらしい。まあ、そのまま居て良いとのことだったので、ちょこんと座って先週土曜日と同じような内容のお話を聞く。

やがて一級の人々も集まり、講義開始。ちなみに初日だけ居た常識を弁えないジジイは、今回も名前こそあったものの不参加。うむ、いない方が良い。( ̄ー ̄) ニヤリッ

午前中はひたすら普通の学科。前回同様、ビデオ教材も何もなく、教本を基本として例題集や追加問題冊子を使用して淡々と講義が続く。こちらも淡々と、睡魔と闘うことに。……ツライ。

興味関心があったのは、やはり気象のところかと。上級運航というだけあって気象に関する内容も前回よりやや突っ込んだものだったのだが、前回、気象・海象を学んだ際に思いついた某資格取得への意思を自己確認するにはほぼ十分だった。(をぃ)

午後は、ほぼ海図のみ。できる人はすぐにできるができない人はなかなかできずにハマる上、最後までできないことも少なくない、最大の難関、という話を事前に把握していただけに内心ドキドキものだったのだが、幸か不幸か自分は「できる人」に分類されたようで、然程ハマることもなく普通に問題を解けるようになった。……流潮航法で最初だけ外しまくったが。(苦笑)

海図ができないという人は自主的に1時間ぐらい居残りするとのことだったが、自分はまあ大丈夫だろうと判断し、さっさと撤収。

2007.05.06 (Sun)

先週同様、学科連続2日目かつ最後に修了試験、というパターンである。

まあ、賢明なる読者諸氏の推測通り、増田剛三さんが予習・復習などということを行うことは無く、「2日目の分は自宅でお勉強できないから不安〜♪」などという懸念は一切無い訳だが、今回は2日目が機関、即ちエンジン周りの話が中心なだけになかなか厄介である。

何しろ、機械が大の苦手。(^ω^;)

機械関係でやや得意なものと言えばIA系のサーバだけ。それもメーカーとの相性が悪いと案件に関わるだけで何故かトラブルに見舞われる、という呪われっぷり。いわんやその他の機械をや。……あ?スタタンスイッチ?ストトンレバー?あんだって?という具合に、何やら遠い世界の話が自分の前で為されているような感覚の中、講義は進む。(←あまり分かっていない)

で。取った作戦はただ一つ。

過去問・問題集だけやるべ〜。

考えるな、感じるんだ!(解答を!)

修了試験の制度的には、機関以外の上級運航Tが14問、うち海図3問。機関などの上級運航Uが10問。計24問で、各分野で半分以上、全体として65%以上取れば合格という仕組みとなっている。即ち、最悪、上級運航Uで5問だけでも上級運航Tで11問取れば良い。過去問・問題集だけ問題と解答のパターンをアタマに叩き込めばイケる、はず。という読みである。

復習の時間は全て過去問・問題集の読み下しに突っ込み、いざ試験。

先週の試験よりは本気モードだったのだが、蓋を開けてみると、比較的難易度は低め。過去問そのままという問題も当然いくつも存在。案ずるより生むが易し、特に間違うようなものも無く、海図の3問も難なくクリア。ちょっと選択肢が怪しい問題もあったが、確実に正解しているものだけでも合格水準は大幅に超えて来ている。これ即ち、合格かと。( ̄ー ̄) ニヤリッ

今回はしっかりと見直しを行い、試験時間70分のうち、25分程度を残して途中退室。合否の結果や合格の場合の免許証は、先の学科試験や実技試験のものと併せ、後日郵送。

結局、今回のゴールデンウィークは一級小型船舶操縦士に始まり一級小型船舶操縦士に終わった訳だが、まあ、これはこれで良いのでは? 不毛にダラダラと過ごすよりはナンボかマシかと。


■ 取得費用

項目 費用 備考
教習料金・申請手数料等 1件 \147,200 日本船舶職員養成協会(JEIS)。
身体検査代 1回 \4,200 視力・弁色力・聴力等の法定身体検査。
合計   \151,200 まあ、こんなもんですかね。( ´ー`)





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