2007.07.24 (Tue)
小型船舶操縦士特定操縦免許。なかなか長い名前である。色々なところで所有資格を列挙する際にはなるべく短い正式名称で書くようにしている訳だが、船舶職員法上の「特定操縦免許」だけでは何の免許なのだか分からないし、かと言って一級小型船舶操縦士と同様に「特定小型船舶操縦士」としてしまうと正式名称から乖離してしまうし……。やむなく、こんな表記となる次第。
で、この免許。簡単に説明すると、小型船舶の世界における「二種免許」である。具体的には旅客船を運航する際に必要となるもので、例えば一級小型船舶操縦士の免許を既に持っていれば、その範囲内の旅客船を操縦することができる。平成15年の法改正で初登場した資格であり、それ以前に小型船舶の操縦免許を受けた人であれば何もしなくても既得権で付与されている。
法改正以降に操縦免許を取得した人は、現在のところ、1日だけ講習を受ければ無試験で付与されるのだが、最近、旅客船の海難事故が多くなりつつあるということで、いずれこの免許も特殊小型船舶操縦士の免許と同様、学科・実技の試験を伴う免許となってしまうかも知れない。……であれば、今のうちに取っておいた方が良い。ということで、今回取得に動いた訳である。
# まあ、ぶっちゃけ実際のところ操縦免許証の枠の穴埋めという目的の方が強いのだが。
前振りが長くなったが、今回も、お世話になったのはJEIS横浜(横浜海技専門学院)。毎度の説明となり恐縮だが、この地図の「横浜船員教育センター」の場所である。8:45集合なので、8:30頃には入館しようと考え、自宅を出たのは8:20過ぎ。当然、徒歩。……んー、近いというのは楽。
正面玄関で開講場所を確認。3階の、一級小型船舶操縦士の学科で使用した教室の隣の部屋であるらしい。受講者数は18名。思ったより、多い。ちなみに女性は1名。
教室に入ると、いつもの通り各受講者の受講票が机の上に。指定席である。着席して、机の上にあるその他の書類に目を通す。講習で使用するとおぼしき「救命講習用教本」(海技士資格免許講習用というのが気になるが……)の他、特定操縦免許の申請に関する書類一式も。
ほー、今回は自己申請か。( ´_ゝ`)
今までの一級・特殊の場合は、そもそも教習料金の中に申請手続きに係る手数料も含まれていたため有無を言わせず海事代理士経由の申請だったのだが、「申請は自分でやりたい」「どうせ暇であるし」という増田さん的にはこちらの方が好都合かな。説明を読む限り、\2,000の収入印紙を買って、書類に必要事項を記入して、馬車道の横浜第二合同庁舎の関東運輸局へ持ち込めば良いだけであるし。動免の申請のやり取りを考えれば、手続きとしてはかなり、楽。
それはさておき。定刻にオリエンテーション開始。欠席者は1名。
学科の講義は、まあ想定の範囲内。予め置かれていた教本のうち、必要な箇所のみ、かいつまんで説明する、といったところ。具体的には、「生存技術の原則」「船舶救命設備の概要」「救命艇及び救命いかだ内における生存維持の諸作業」あたり。これに加えて、補足として配布された、「小型船舶の転覆防止」「危険防止及び緊急処置」などのプリントをなぞる。
まあ、この講習は旅客船を操縦するためのものではあるのだが、屋形船や遊漁船での接客関係の講義などがある訳ではなく、一級船舶操縦士の学科の「心得」や「上級運航」の、主として乗員乗客の安全に係る部分を強調し、より高度にしたようなもの(時間が限られているので知れたレベルではあるが……)というところだろうか。そういう点では、車の二種免許と同様かも知れず。
一級・特殊の学科ではビデオ上映が無かった訳だが、今回はかなりあった。
・ 荒天時の航法に関するもの。実験用の模型のラジコン船が欲しくなった。(をぃ)
・ 気象・海象関連のもの。NHKでよく見る顔の一人、渡辺博栄気象予報士が出演。
・ 唯一のドラマ仕立て。漁師のおじさんが遭難したかも?系のお話で心得を説くもの。
・ 海難時の退船からその後のサバイバル、そして救助までを扱ったJEIS制作のもの。
これだけでもなかなかのボリュームなのだが、今回はさらにサプライズが。
『がんばれ!かならず助かる!』
はい。ピンと来た方はピンと来たかとは思いますが、救命いかだの中に必ず搭載されている非常用救難食糧です。こんな文言の説明書きが本当に入っています。お世話になりたくないものです。が、今回は2005年製造の本物(消費期限は製造後5年間)について、希望者にのみ配給があった。
あ。思ったよりイケる。食える。
外観は、クレジットカード大(但し厚さは1.5cmほど)の大理石にも見えるビスケットタイプ。食感は、最初こそ『らくがんのようなものか?』と感じたが、らくがんやカロリーメイトほど粉っぽいものではなく、水分がなくても不思議と口溶けが早く、適度な甘みも手伝って、すぐに食べられた。熱量的には10個食べてやっと増田さんの1日分の摂取カロリー(少なめの日)に達するかどうか、というものだが、殆ど身体を動かさない救命いかだの中でのサバイバル生活ならばこれで十分、ということか。
午後の途中からは実技。実技といっても、艇に乗る訳ではない。心肺蘇生術と、救命いかだの展開及びその中に実際に入ってみる体験学習のコーナー。……やるのか、あれを。
(´・ω・`)「アンちゃん?」(←講師曰く人形の名前が「アンちゃん」というらしい……)
(´・ω・`)「アンちゃん!」
(´・ω・`)「アンちゃーーーんっ!!」(←魂の絶叫)
(´・ω・`)「意識無し!救急車お願いしまーす!」(←海の上なら呼ぶのは別な気もするが)
なにこの羞恥プレイ。(ノ∀`)アチャー
想定の範囲内とはいえ、某氏よりもM属性が劣る弊員としては、なんだかなぁ。。。
で、ナニとは正反対に腰より上しかないアンちゃん相手に、(抗菌シートは各人別に用意されるが)魂のキスをぶちゅーっと。というより、ガバッとてめぇのクチでアンちゃんのクチを覆い囲うかの如く塞ぎ、ブホッと吐息を注入。これを2回。その後、アンちゃんの左右のチチクビ(←講師曰く)の中心の少し下のあたりを、気合で30回ほど打つべし打つべし。これをリピート。
機械の当たり判定がなかなかシビアだったが、まあこんなものか。ちなみに応急救護についてはこの蘇生術のみ。道交法上の二種免許の取得時講習にある、止血法や三角巾の使い方や骨折時の副木の使い方などは無し。蘇生術よりもそれらの方が実用的な気もするのだが……。
救命いかだの方では、まず救命設備の実物の使い方などの説明。EPIRB、SART、双方向無線電話などは一級船舶操縦士取得時には見なかったので、今回が初めてだった。( ´_ゝ`)フーン
あれよあれよという間に所定の時刻となり、お開き。先に述べた通り無試験であるので、管理者から修了証を渡されて終わり。……なのだが、私を含めかなりの人が「はい回収♪」ということで管理者に修了証を回収された。実は、ここ最近、JEISで他の操縦免許を取得した人で手続き上、当該免許が申請待ちとなっている人については、そちらの免許と今回の特定操縦免許を併せて申請してもらえるらしい。本来は必要となる自己申請も無し。当然、それに伴う収入印紙代の負担も無し。
なんとうるわしいサービスか!ヾ(
゚∀゚)ノ゛
ちなみに、7月15日開講の逗子第1回の特殊小型船舶操縦士の試験結果が、気の早いことにもう掲示されていた。当然、と言っては何だが、私や某YZK氏を含め、全員合格。ヾ(
゚∀゚)ノ゛
これによって、取り敢えず小型船舶操縦士の免許証についてもコンプリート確定。まあ道交法の免許証に比べて種類が少ないのもあるが、これはこれで色々と活用していきたい。( ´∀`)