関連資格取得記 二俣川フルビット物語 〜運転免許完全取得への道〜


 動力車操縦者運転免許編


動力車操縦者運転免許に関する省令(動免省令)が改正(平成21年11月2日国土交通省令第63号)されました。これに伴い、現在では、「道路交通法上の大型二種免許を取得していれば申請だけで取得できる」という動力車操縦者運転免許はなくなっています。

取得記は、2007年当時の内容をベースとしています。把握できている限りにおいて加筆・修正させて戴きましたが、当時の描写等、古い内容も残っています。予めこの点を踏まえ、ご利用ください。m(_ _)m



■ 概要


動力車操縦者運転免許は、鉄道・軌道の運転士の資格です。根拠法令は、鉄道営業法・軌道法、動力車操縦者運転免許に関する省令(動免省令)であり、国家資格となります。

動力車操縦者運転免許には、以下の種類があります。

 ・ 甲種蒸気機関車運転免許
 ・ 甲種電気車運転免許
 ・ 甲種内燃車運転免許
 ・ 乙種蒸気機関車運転免許
 ・ 乙種電気車運転免許
 ・ 乙種内燃車運転免許
 ・ 新幹線電気車運転免許
 ・ 第一種磁気誘導式電気車運転免許
 ・ 第二種磁気誘導式電気車運転免許
 ・ 第一種磁気誘導式内燃車運転免許
 ・ 第二種磁気誘導式内燃車運転免許
 ・ 無軌条電車運転免許


道路交通法に基づく運転免許がそうであるように、種類に応じて運転できる電車等の範囲が異なります。例えば、その辺の通勤電車を運転するためには、甲種電気車運転免許が必要です。

動力車操縦者運転免許を得るためには、鉄道事業者等に所属し、国土交通省が実施する動力車操縦者試験に合格するか、鉄道会社等が国土交通省の指定を受けて設置した動力車操縦者養成所で所定の教習や試験を受け、合格する必要があります。これが、大原則です。

但し、「原則」には「例外」が付き物です。動免省令上、以下の免許については道路交通法上の大型二種免許を取得していれば、無試験で申請・取得することができました(←註:過去形)

 ・ 第二種磁気誘導式電気車運転免許
 ・ 第二種磁気誘導式内燃車運転免許
 ・ 無軌条電車運転免許


無軌条電車というのは、簡単に言えばトロリーバスです。これは誰でも分かるでしょう。立山黒部アルペンルートあたりでは現在でも走っています。一応、軌道法の管轄に入ります。

残り二つについては分かり難いかも知れません。「磁気誘導式」という言葉から、ひょっとするとリニア?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、実際には、愛知万博で登場した、IMTSという次世代交通システムに対応して創設された免許種類です。こちらも、軌道法の管轄に入ります。

私がフルビットを達成した2003年時点では、これらのうち無軌条電車の種類しかありませんでした。が、これでも多少「鉄分」が濃いめであるため、無軌条電車については大型二種の免許があれば取得できることは把握していました。……が、当時は「所属事業者が無い」という壁がありました。鉄道・軌道に係る事業者に所属していないと、どうやら申請はできないらしい。当時は簡単に諦めました。

月日は流れ、2007年になり。当時、二俣川試験場で知り合った人々(≒マニアな皆さん)と何度めかのオフ会の席で、思いもかけない情報が寄せられました。

無所属でも動免取れるみたいですよ。(・∀・)

聞くところによると、どこかの先駆者が所属事業者「なし」の申請を某運輸局に対して提出し、これが受理され、免許証の発行までこぎつけてしまったらしく。その先駆者の事例が法令解釈上の前例となってしまい、それ以降は「所属事業者が無くても発行」という取扱いになった、と。

ならば申請しないという選択は、無い。( ̄ー ̄)

こうして、純然たる資格マニアとして、私は動免取得へ動き始めました。(^-^ヾ

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ということで、2007年当時は、無所属でも大型二種免許さえ取得していれば申請だけで動力車操縦者運転免許証を取得することができました。しかしながら、その後動免省令が改正され、技能試験の免除はなくなりました。これに伴い、所属事業者「なし」であり技能試験を受ける術を有しない者は、事実上、動力車操縦者運転免許証を取得することが不可能となりました。

本サイトでは、具体的な申請方法も掲載しておりましたが、動免省令改正により事実上免許マニアが排除されたことに鑑み、これを削除させて戴きました。悪しからずご了承くださいませ。


■ 動力車操縦者運転免許証

動力車操縦者運転免許証

動力車操縦者運転免許証動力車操縦者運転免許証


■ 取得までの記録


2007.02.03 (Sat)

某免許系サイトのオフ会開催。ちなみに幹事は。(^-^ヾ

宴席で某氏から「所属事業者が無くても動免は申請すれば取れるようになったみたいです」との貴重な情報が寄せられ、一同、色めき立つ。免ヲタであると同時にやや重篤な鉄ヲタをも併発している今回のオフ会の幹事が最も色めき立ったのは言うまでもない。(笑)

取り敢えず、引き続きの情報提供をお願いすると共に、自分自身も情報収集を開始。

2007.02.06 (Tue)

国土交通省関東運輸局のサイトなどを見てみたが、全く情報が掲載されていなかったため、同局のウェブ上のフォームから「動力車操縦者免許の申請手続方について」という問合せを実施。

某オフ会の本件ネタ元からの、申請方法に関するメールを受け取る。……厳密には、日曜日の夜に送信されていたにも拘らずうちのサーバのSPAMフィルタに引っ掛かっていたのだが。。。

正式な申請手続きについては、国土交通省関東運輸局からの回答を待つこととする。

2007.02.10 (Sat)

火曜日に国土交通省関東運輸局へ送信した問合せに対する回答は、無し。どうやら完全に放置されているらしいので、「動力車操縦者免許の申請手続方について(再)」という問合せをメールで送信。

今度は土曜日であるにも拘らず、送信から3時間ほどで返信があった。曰く、「お手数をおかけしますが下記の時間帯にお電話いただけますようお願いいたします」との由。

メールを含め、文書での回答を希望していたのだが……電話、口頭か。それではあまり意味が無いんだよなぁ、ということで若干思案。その結果、取り敢えずいきなり申請書を送付してみることとした。

2007.02.12 (Mon)

先週、某オフ会の本件ネタ元から仕入れた情報に基づき、申請書類を準備。郵送の場合は運転免許経歴証明書が必要との情報だったが、二俣川まで取りに行ったりするのが面倒くさいため、試しにそれを含めない形で送付することとし、書類一式をクリアフォルダに入れて、郵便局へ。

本日は祝日(振替休日)なのだが、収入印紙は切手扱いなので普通局の「ゆうゆう窓口」で調達可能。どこでも良かったのだが、取り敢えず磯子郵便局へ行き、必要な印紙を調達。その場で申請書類に印紙を貼付し、クリアフォルダに戻し、さっさと封をしてその場で差し出し。

帰宅後、「RE: お問い合わせの件について(関東運輸局)」として送付済みの旨をメールで送信。

2007.02.16 (Fri)

国土交通省関東運輸局鉄道部安全対策課のK様より携帯電話宛にご連絡を戴く。曰く、「運転免許経歴証明書が添付されていなかったからこのままだと受理できません」との由。内心、『あら、やっぱり?』と思いつつ、ご指示を仰ぐ。事前情報の通り、運転免許経歴証明書を郵送するか、本人が免許証を持参の上で来庁するか、とのことなので、月曜日の直接訪問をお約束した。

2007.02.19 (Mon)

平日であるが、野暮用のためお休み。野暮用は午前中で済ませ、一路、馬車道へ。

予定より少し早い時間帯だったが、予め電話を入れた上で、国土交通省関東運輸局鉄道部安全対策課へ。……んー、法務局なら会社の設立登記やら各種証明取得やらで何度も出入りしているけれど、別のフロアに入るのは初めてだなぁ、と思いつつ、スーツなので素で進入。

で。K様のお席までは結局途中で呼び出しも何もなく、素で入ることができた。……んー、こういうのって、テロ対策とまでは言わないまでも、通常のオフィスのセキュリティっていう点でどうなんでしょ。

# と、システム監査人としての見方がすぐにアタマをもたげてくるのは職業病ですかね。(^-^ヾ

K様にご案内されるまま、応接ブースのようなところへ行き、そこで運転免許証を見せる。別段コピーを取られることもなく、フルビットな件についてツッコミを受けることもなく、取得目的について質問を受けることもなく、要するに何事も無く終了。……人によっては、運転免許証を見て「警察関係の方ですか?」とツッコミを受けることもあるようなのだが。流石にフルビットだとマニア以外の解は無いか。(苦笑)

免許証が出来上がるのは4月頃になるとのこと。最近、私と同様、3種類の免許を申請する人が相次いでいるらしく、事務処理が立て込んでいるらしい。『……まあ口コミで広まっているからな〜』と内心思いつつ、粛々と郵送をお願いし、早々に退散させて戴いた。

帰宅後、「本日はご多忙中本件に関しご対応を戴き、ありがとうございました」なメールをこれまでのやり取りに被せる形で送信。御礼であると同時に、本日の対応内容のエビデンスでもある。

ついでに、二俣川の懲りない面々各位宛に、実際に申請が完了した旨を通知。

2007.04.22 (Sun)

二俣川の懲りない面々の一人である某氏より、某所のアカウントを不正使用された!とのご相談をいきなりお電話で戴く。取り敢えず明らかに不正アクセスなので、所轄の警察への相談を提案。

そのやり取りの中で、動免の申請をしていたことを思い出す。……ええ、

完全に忘れていました。ヾ( ゚∀゚)ノ゛

そう言えば何の音沙汰も無いなぁ。ということで、取り敢えず以前のメールに被せる形で、「RE: お問い合わせの件について(関東運輸局)」として、到着の目処を教えて欲しい旨、送信。

2007.04.26 (Thu)

日曜日に送信したメールの返信があった。……既に木曜日なのだが。

> 書類審査は既に済んでおりますが申請者が多数のため、
> 免許作成が当初申し上げた予定より遅れております。
>
> 5月中には発送できるかと思いますが、確定ではありません。

との由。順調に遅れているらしい。( ´_ゝ`)フーン

2007.05.22 (Thu)

※ ここだけmixi日記にあったので、適宜加筆修正の上、転載します。(^-^ヾ

本日、国土交通省関東運輸局鉄道部安全指導課より、動力車操縦者運転免許証、通称「動免」を戴きました。交付を受けた運転免許の種類は、第二種磁気誘導式電気車、第二種磁気誘導式内燃車、無軌条電車の3種類です。

コアな鉄ヲタや免ヲタ諸兄ならばご存知でしょうが、動免のうちこれら3種類は大型二種免許さえ持っていれば申請により個人に対しても発行されます。免許系の某オフ会で動免の話となり、それならばということで、申請していた次第です。嗚呼、免許マニア。(ノ∀`)アチャー

関東運輸局宛にアクションを起こしたのが2月6日のこと。フルビットの運転免許証を持ってうちの近所の関東運輸局へ赴いたのが2月19日。動免上、交付は3月5日という日付が入っていますが、配達記録郵便で届いたのは今日。

嗚呼、爽やかなお役所仕事。( ´_ゝ`)

でもまあ、氏名・生年月日・所属事業者名・本籍欄はすべて手書きで、それ以外の欄も専用のゴム印を使用した箇所ばかりで全くシステム化とは無縁っぽい「手づくり免許証」なので、時間が掛かるのもやむを得ないかな。そもそも、そんなに申請がある免許証でもないだろうし。

ちなみに本日は、先の大型連休中に通った一級小型船舶操縦士の試験結果も郵送されて来ました。学科T・学科U・実技、いずれも合格です。これにより本日は、(動免を3つとして勘定すると)一気に4つの手持ち資格が増えたことになります。

まあ、転職活動にはクソの役にも立ちませんが。(^ω^;)

というところです。淡々と、粛々といきましょうか〜。



繰り返しとなりますが、2009年11月に動免省令が改正されたため、現在では、以上の要領による動力車操縦者運転免許の取得は不可能(技能試験の受験が必須となったため)となっております。

後続の免許マニア諸兄には誠にお気の毒ですが、予めご認識の程、お願い申し上げます。m(_ _)m



■ 取得費用

項目 費用 備考
免許申請用収入印紙代 3件 \4,500 \1,500/申請。
住民票の写し取得手数料 1通 \300 横浜市。
運転経歴証明書 1通 \700 自動車安全運転センター。
申請書郵送料 1通 \500 日本郵政公社。
合計   \6,000 現在は取得不可能です。





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