技能試験攻略法 二俣川フルビット物語 〜運転免許完全取得への道〜


 大型二種技能試験攻略法

旧バスです。大型二種は、言うまでもなく運転免許の最高峰です。
当然、その技能試験は最も厳しい難関となります。

人によっては数回、十数回と落とされます。
人によっては挫折して試験場を去ることもあります。
しかし、たった1度の挑戦で合格してしまう者もいます。

基本に忠実に、確実な運転を。二種に相応しい走りを。

本稿が現役受験者の皆さんの一助となれば幸いです。



この攻略法は、2003年当時のものです。2007年6月2日施行の改正道交法による中型自動車免許の新設及び関連諸法令に基づく試験方式・課題の新設等は、当然踏まえておりません。

まあ、制度が変わったところで、攻略の「要点」はそれほど変わりませんけどね。(^-^ヾ

若干、古い情報が掲載されています。この点を踏まえ、「ご参考」程度にご利用ください。m(_ _)m



大型二種技能試験概論


大型二種の技能試験は、場内及び路上で実施されます。他の免種と同様、持ち点100点からの減点法により採点されます。得点は場内と路上の通算であり、二種であるため80点以上残れば合格です。

過去には場内試験だけで取得できた時代もありましたが、平成14年より路上試験が追加されています。

場内では、鋭角と、縦列駐車または方向変換の課題種目に取り組みます。縦列駐車と方向変換のどちらが課題となるかは、受験する都度、指示されるまで分かりません。試験官が持つ採点表の場内の箇所には課題種目の採点欄しかなく、実際に課題以外は採点しない旨の案内がある場合もありますが、一方で「この受験者を路上試験に出しても大丈夫かどうか」を見ているという側面もあります。法定課題ではない坂道発進を行わせるのは、その証左でしょう。試験官がその気になれば、課題種目の採点を極めて厳しくすることにより捻り潰すこともできます。課題以外も、安全・確実に対処した方が無難です。

路上では、課題種目として3回の路端停車(指定場所停車)があります。これは、電信柱や街頭などをバス停に見立て、後扉の位置をそれに合わせる形で停車するものです。また、路上では約6kmの全区間が採点対象です。公道試験であるため運に左右されるという側面もありますが、コースを事前に分析・研究することにより、最低限の心の準備はできるはずです。試験車両を上手に運転することは、通常は不可能です。その必要もありません。安全運転・安全確認さえ上手に出来ていれば、合格の途は開けます。

なお、指定前教習生として教習所に通っていた際、あまり大型二種の試験事情に詳しくない学校側に試験のノウハウを教えるためにまとめたドキュメントがあります。その時点で既に二俣川の懲りない面々の固定メンバーとなっていた私が当時収集した情報に基づくものです。こちらもご参考までにどうぞ。⇒[PDF]

また、実際の取得記を以下に掲載しております。こちらもご参考までにご参照ください。

運転免許取得記 - 大型自動車第二種免許編


鋭角

大型二種鋭角全景 大型二種鋭角

大型二種の鋭角は、課題専用のコースで行われます。概要としては、左折または右折で鋭角コースに進入し、切り返し1回で鋭角を含む狭路コースを抜けるだけです。鋭角の突端部については、旧バス(9m車両)は突端部の白線に触れてはならず、デカバス(11m車両)は縁石に触れてはならない、というルールです。切り返しは3回まで行うことができますが、複数回の切り返しは減点対象となります。

他の課題と同様、この鋭角コースも微妙な傾斜がついています。具体的には、左上の画像で言うところの向かって右側、駅方面・路上試験の通用門方面へ下っていくような傾きが存在します。

このため、鋭角コースに右折で進入して突端部を左手に見ながら抜ける場合、切り返しのための後退を行う際にはブレーキの扱いに十分注意するか、或いは安全策でサイドブレーキを使用するかしないと、後退ギアに入れているにも拘らず車両が前進してしまう、逆行(小)を招くこととなります。

逆に、鋭角コースに左折で進入して突端部を右手に見ながら抜ける場合、切り返しのための後退を終えた後の発進で同様にブレーキの扱いに注意しないと、意図しない後退を招き、逆行(小)や、後ろに余裕が無い場合は縁石に後輪が触れてしまうなどの結果をもたらすこととなります。

基本的な事項については、今更という感じもしますので事細かには書きません。予め目一杯反対側に寄っておくことと、行き過ぎと言えるほどドーンと突っ込んだ上でハンドルを切り始め、フロントオーバーハングを計算に入れて自分が居る運転席部分は草の上にまで入り込ませることぐらいでしょうか。そもそも鋭角は、規格上、切り返し無しでも回れます。余裕があるということも、考えに入れておくと良いでしょう。


縦列駐車

大型二種縦列駐車全景 縦列駐車後側柵

縦列駐車に関する基本的な作法は、皆さんよくご存知であるはずです。まず、適切に寄せて停めます。次に、安全を十分確認した上で、後退を開始し、後輪のラインが前側の柵のラインと重なったところでハンドルを切り、車体右側面のラインが丁度後側の柵のいちばん奥のポールを指すところまで傾け、そのまま直立で後退します。右後輪がポケットのラインに差し掛かるかどうかというところで逆にハンドルを切れば、丁度車体はポケットの中に収まるはずです。後は、50cm以内まで後退すればOKです。

二俣川試験場で注意すべき点は、まず、最初の後退を開始する際に対向車が存在しないことを確認することです。通常、大型二種の試験は他の免種よりも先に場内試験が行われるため対向車と遭遇することは稀なのですが、後退の際、若干対向車線を支障する恰好となるため、万一坂を下りてくる対向車等があった場合は、やり過ごしてください。始めてしまって補助ブレーキを発動されたケースもあります。

どのあたりまで後退すれば良いか?という点については、試験場開放練習等を利用し、自分なりの距離感を掴むしかありません。よく研究して、自分なりの戦術を立案してください。

縁石です。 Y字です。


方向変換

大型二種方向変換全景 大型二種方向変換後側柵

大型二種の方向変換は、基本さえ押さえていれば最も楽な課題です。右バックだろうが左バックだろうが、また旧バスだろうがデカバスだろうが、その点に変わりはありません。

まず、方向変換コースに進入する時点から、極力ポケット側にベッタリと寄せることを考えます。次に、ポケットの前を通過した上で、後退しやすいように十分に前に出ます。この際、方向変換コースから飛び出すことを嫌がってしまうケースが見受けられますが、旧バス・デカバスのいずれの場合についても、左上の画像でもまだまだ不足している程、交差する道路にまで飛び出す必要があります。安全確認は当然必要ですが、堂々と前に出ることをためらわないでください。

後は、ポケット側の後輪を滑らかに水切りに沿わせる感覚で押し込んでいくだけです。最初の寄せさえしっかりとやっていれば、フロントオーバーハングが植え込みに当たるようなことはないでしょう。なお、後退の50cm寄せに関しては、やはり試験場開放練習等を利用し、自分なりの距離感を掴むしかありません。運転席からポールが果たしてどのように見えるのか、じっくりと研究を重ねてみてください。(謎)


路上試験について


路上試験に際しては、注意すべき箇所がいくつか存在します。本稿では、実際に撮影した画像をもとに、逐一解説していきます。不明な点は、直接ご自身で下見等の形でご確認ください。

試験場前の車列 大型二種の通用門を出て、右手に坂を上がっていったところです。大型二種の路上試験の時間帯には、大抵の場合、こちらの画像のように駐車場待ちの車両の列ができています。対向車との兼ね合いや優先判断に注意しつつ、安全な間隔を確保してパスしていく必要があります。
試験場横の坂 試験場の前を過ぎて、一度右折したところです。住宅街の細い道ですが、なかなかな下り坂となっています。エンジンブレーキを必ず活用しつつ、路側帯に注意して走行してください。

対向車が来た場合は、必要に応じてやり過ごすこととなります。どうやり過ごせば良いのか?については、路側帯の取扱いを含め、ご自分で調べて判断された方が身につくかと思います。
試験場裏の交差点 一つ上の画像の坂を下りきった交差点です。優先順位としては、交差する道路の方が高くなっています。見通しも悪いので、必ず最徐行で進入し、左右から直進車両が来ていないことを確認した上で、右折していってください。

なおその際、油断すると左ミラーが標識に当たりそうになり、補助ブレーキ発動を招く場合があります。その点もきちんと見ていることをアピールするような安全確認をしてください。
試験場裏 このあたりで、指定場所停車が入ることがあります。この画像では、実際にやっています。

この先で左折し、ニュータウンの住宅街を進んでいくこととなります。
金が谷先 ニュータウンを抜け、金が谷の交差点を右折したところです。センターラインは黄色の実線ですが、狭隘路であるため、踏み越えなければ通行することができません。試験官がそのように指示することが多いようです。

なお、踏み越えても構いませんが、進路変更の作法と、対向車を支障しないことだけは忘れないでください。
下川井インター合流 下川井のインター付近です。画像の左側から来る道が、一つ前の画像の場所から続いてくる道です。この交差点を左折し、さらに画像右手前方に見える信号を左折することとなります。

ここでは、左折レーンに入りさえすれば良いのですが、保土ヶ谷バイパスから高速で下りて来るクルマも多数あります。それらの進行を妨害することのないよう、注意してください。
相鉄線路沿いの路端停車 中原街道を延々と走り、相鉄線をくぐる少し手前で側道に入り、線路沿いに左折したところです。このあたりでも指定場所停車があります。水銀灯が使われることが多いようです。
三ツ境駅北口手前 少し進み、三ツ境駅近くまで来たところです。このあたりでも、柱を目標とした指定場所停車が行われることがあります。

なお、指定場所停車は、駐車車両の有無等により、異なる場所で為される場合もあります。絶対にここ、という場所はありませんので、動揺しないようにしてください。
三ツ境駅北口 三ツ境駅北口です。ご覧のように、いつも路上駐車で溢れています。広めの片側1車線ですが、駐車車両は当然可動物であり、対向車も比較的頻繁に行き交うため、安全な間隔など確保できるものではありません。

徹底的に徐行してください。ここで徐行不足を指摘され、それだけで散った受験者は星の数ほど存在します。ご注意を。
三ツ境駅南口 反対側の三ツ境駅南口です。見ての通り、電信柱はギリギリまで出っ張っているわ、老人を含む歩行者が車道までハミ出ていることもあるわで、北口とは趣の異なる要注意箇所となっています。

神奈川中央交通のバスなどはスイスイと走り抜けていきますが、当然、こんな狭隘路を試験車両がスイスイ走り抜けてはいけません。ノロノロ運転する必要はありませんが、適宜徐行するようにしてください。
二ツ橋交差点 二ツ橋の交差点です。ここで右折することとなる訳ですが、右折レーンに入る際、ゼブラを踏まないように注意してください。

また、右折する先が混んでいることがあります。タイミングで、大抵の場合はうまく右折先の方が抜けてくれて無事右折できるのですが、対向車を支障したり、交差点内で立ち往生してしまう危険もあるポイントです。
二ツ橋交差点 二ツ橋の交差点、右折先の方を眺めた状態です。この先の二ツ上橋の交差点から詰まっていることがあります。

また、この区間は金が谷の先と同様、狭隘区間でもあります。こちらは対向車も頻繁にありますので、それなりの運転をしてください。
二ツ上橋交差点 二ツ上橋の交差点です。画像の左手から出てきて画像上方へと左折することもあれば、画像の手前側から上方へと直進することもあります。左折の場合は特に注意点は無いのですが、直進の場合、この交差点から制限速度が50km/hに下がります。試験中にスピードオーバーというのはまずダメですので、ご注意ください。
中原街道の駐車車両 中原街道は下川井インターから二ツ上橋までは駐車車両もほとんど無いのですが、このあたりから商店が多くなることもあり、しばしば出てきます。比較的高速に流れる幹線道路での回避・車線変更ということで、大型二種特有の先を読んだ運転が求められることとなります。

この他、技能試験の採点基準なども熟知しておくと良いでしょう。健闘を祈ります。





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