技能試験攻略法 二俣川フルビット物語 〜運転免許完全取得への道〜


 大特一種・二種技能試験攻略法

大特方向変換です。大特一種・二種は、特殊車両の運転免許です。
他の免種とは感覚が全く異なる試験となります。

全くの未経験で練習もしたことが無い人でも、
技能試験に合格して免許を取得できますか?
と質問された場合、著者は「取れます」と断言します。
実際に著者がそのパターンです。(^-^ヾ

二俣川の技能試験で求められているものが何なのか?
それを考えれば、自ずから途は開かれるはずです。


大特技能試験概論


大型特殊の免許を志す方で、実際に小型特殊などを含む特殊車両を運転したことがある方というのは少ないはずです。建設・運輸などの業界の方であれば職業柄運転する機会もあるかも知れませんが、免許マニアをはじめとする多くの方は、全くの未経験であることが殆どでしょう。他の大型・牽引・大型二種等と異なり、自由に練習できる施設も殆ど無いため、未経験の状態のまま試験を受ける方も多いはずです。

特殊車両ですので操縦には相当な癖があります。が、二俣川の技能試験でチェックされるのは「特殊車両の操法」ではなく、あくまでも「公道上を道交法的に正しく走れるか否か」「公道を走行するに足る技能を有しているか否か」だけです。その証拠に、試験に直接関係しない操法自体は教えてくれる試験官もいます。

※操法を教えてくれるかどうかは試験官次第です。教えてもらえないと考えた方が良いでしょう。

ここでは、二俣川試験場での大特技能試験の合格を目標として、必要な知識を掲載しておきます。なお大特には一種と二種が存在しますが、車両・試験コースとも同一です。ご存知の通り一種は70点、二種は80点以上が合格であり、採点の厳しさは二種の方が格段に上となります。基本は同じですので特に項目は分けませんが、内容的には二種にも対応した記述としておりますこと、予めお含みおきください。

なお、実際の取得記を以下に掲載しております。こちらもご参考までにご参照ください。

運転免許取得記 - 大型特殊自動車第一種免許編
運転免許取得記 - 大型特殊自動車第二種免許編


基本的な操縦方法


二俣川試験場における一般受験者用の大特試験車両(コマツ・S023ショベルローダー)の操縦席は、概ね以下の図のような配置・構成となっています。※相当簡略化しています。ご了承ください。

一般的な発進の手順は以下の通りです。

(1) シート合わせ・ミラー合わせは不要なので、シートベルトを装着する。
(2) ブレーキを踏み、サイドブレーキが引かれていることを確認する。ブレーキは踏み続けておく。
(3) 変速レバーがNにあることを確認する。異なる場合はNにする。
(4) エンジンを始動する。これ以降、左手は必ずハンドルのノブを掴んでいるようにすること。
(5) バケット操作レバーを手前に引きバケットを上げる。※油圧なのでエンジンをふかすと素早く上げられる。
(6) サイドブレーキを戻す。戻りきらないことがあるため、確実に戻ったかどうか目視で確認すること。
(7) 確実にブレーキを踏みつつ、変速レバーを前進2速に入れる。
(8) ウインカーを出し、発進時安全確認(5点確認/別項参照)を実施し、発進する。
(9) ウインカーはすべて手動であるため、発進完了後手動で元の位置に戻し、消す。

ミラーは、ルームミラー・サイドミラーがあります。総じて見にくく、特にルームミラーは試験官のご尊顔以外何も見えないのが実態ですが、後退等の際にはしっかり確認しないと減点の対象となります。

スピードメーターはありません。タコメーターだけあります。


一般走行・課題走行


一般受験者用のショベルローダーは、後輪操舵となります。このため内輪差の概念が他の車種と正反対となります。特に交差点の左折の場合、躊躇せず前輪をインベタにするように走行してください。

操縦席から前輪の端は見えませんが、前輪は左右2本ずつ太めのタイヤが並んでおり、バケットの端が丁度その2本の中間となるような位置関係となります。バケットの端は操縦席からも見えますので、前輪はバケットの端からさらにタイヤ1本分ハミ出していることを意識すれば車幅の感覚もつかみやすいはずです。

走行中は、左手はハンドルのノブ、右手は3本のレバーのうち固定されている2本のレバーを握り、身体を確実に固定するようにします。とにかく振られますので、視線はできるだけ前方遠くを見るようにします。ハンドルはパワステではなく、少しの操作がダイレクトに反映されてしまいますので、当て舵などは厳禁です。

あまりに固くハンドルノブを握り締めていると、逆に意図しない動きを招きます。身体の固定は右手に任せ、左手はあくまでも軽く、ごく普通に肩の力を抜いて載せておくような感じとした方が良いでしょう。

一種では然程問われませんが、二種では特にエンジンを回せているかどうかが問われます。直線の課題走行は1,800回転の維持が求められますが、二種では課題以外の場所でも回せる場所では1,800回転をキープするように走行してください(回転数が高ければ良いという訳ではありません)。

大特はブレーキが殆ど効きません。各所において、ブレーキは早め早めに掛けてください。特に他のクルマを支障する可能性がある場合、試験官は容赦なく補助ブレーキを踏み、試験は中止となります。

先にも書きましたが、ウインカーは手動です。使用後は、手で戻す必要があります。


方向変換


大特方向変換大特の方向変換場は、外周内回りの徐行標識の脇、大型用坂道の脇にあります。試験コースにより、どちらから出入りするのかは異なります。

既述の通り、試験車両は後輪操舵です。方向変換の作法も他の車種とは正反対となります。

まず、導入路の停止位置ですが、他の車種ではポケット側に寄せて停めるところ、大特ではポケットとは反対側に寄せて停めます。左の写真で言えば、こちらから見て右側に寄せて停めることとなります。


これを図で表したのが、右図の@の状態です。この状態からポケットに押し込んでいく訳ですが、ここでも他の車種とは正反対に、最終的にポケットから出て行く方向の側に寄せる感じでAのように入れます。

ハンドルを切るタイミングは、ポケットに押し込む際、またポケットから出る際ともに、曲がろうとする角のライン(右図の薄緑の線)と前輪が並んだ時です。

大特では、「完了しました」等の申告は不要です。出られれば構いませんのでポケットの奥深くまで押し込む必要はありませんが、出て行く際の調整の余地を考えると、あまりに浅いのも考えものです。

出て行く際は、後輪操舵であるため後輪が図の赤い矢印の軌跡を辿ります。ポケットに入れる際の寄せを誤るとこの時点でハマります。この場合、一旦前に出て切り返しを行うしかありません。

なお、大特の試験では切り返しは3回まで可能です。但し、切り返しを行うと試験官の心証を害し、特に二種では他の減点要素で落とされる可能性がありますので、なるべくしないように心がけてください。





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