技能試験攻略法 二俣川フルビット物語 〜運転免許完全取得への道〜


 普通二種技能試験攻略法

気をつけよう、そこの蔭からジジイやガキ。普通二種は、普通車を使用して試験をします。
当然ですが試験車両は普通一種と同じです。

しかし、人によっては最も苦しむ試験になります。
それは、確実にできることをしていないからです。
簡単そうで実は難しく、ゴマカシはききません。

基本に忠実に、確実な運転を。二種に相応しい走りを。

本稿が現役受験者の皆さんの一助となれば幸いです。


普通二種技能試験概論


普通二種の技能試験は、場内及び路上で実施されます。他の免種と同様、持ち点100点からの減点法により採点されます。得点は場内と路上の通算であり、二種であるため80点以上残れば合格です。

過去には場内試験だけで取得できた時代もありましたが、平成14年より路上試験が追加されています。

場内では、鋭角と、縦列駐車または方向変換の課題種目に取り組みます。縦列駐車と方向変換のどちらが課題となるかは、受験する都度、指示されるまで分かりません。試験官が持つ採点表の場内の箇所にはこれらの課題種目の採点欄しかなく、実際に課題以外は採点しない旨の案内がある場合もありますが、場内試験は「この受験者を路上試験に出しても大丈夫かどうか」を見ているという側面もあります。試験官がその気になれば、課題種目の採点を極めて厳しく見直すことにより捻り潰すこともできます。課題以外も、安全・確実に対処した方が無難です。そもそも二種の免許を取ろうとしていることを、忘れないでください。

路上では、課題種目として、転回と、4回の路端停車があります。路端停車の内訳は、「停めてください」という直前合図停車が3回、目標物停車が1回。このうち、直前合図停車の1回は、駐停車禁止場所に停めさせるような形で課せられます。どういう場所が駐停車禁止なのか、把握しておいてください。また、路上では全区間が採点対象です。公道試験であるため運に左右されるという側面もありますが、事前にマイカーやレンタカーでコースを走り、予め分析・研究することにより、最低限の心の準備はできるはずです。安全運転・安全確認さえ上手に出来ていれば、合格の途は開けます。頑張ってください。

なお、実際の取得記を以下に掲載しております。こちらもご参考までにご参照ください。

運転免許取得記 - 普通自動車第二種免許編


鋭角

普通二種鋭角 普通二種鋭角

普通二種の鋭角は、課題専用のコースで行われます。概要としては、左上の画像のMから左折で鋭角コースに進入し、切り返し1回で鋭角を含む狭路コースを抜けるだけです。切り返しは3回まで行うことができますが、複数回の切り返しは減点対象となります。

他の課題と同様、この鋭角コースも微妙な傾斜がついています。具体的には、右上の画像で言うところの向こう側、駅方面・路上試験の通用門方面へ下っていくような傾きが存在します。

このため、特にMT車による受験の場合は、切り返しのための後退を行う際にはブレーキの扱いに十分注意するか、或いは安全策でサイドブレーキを使用するかしないと、後退ギアに入れているにも拘らず車両が前進してしまう、逆行(小)を招くこととなります。縁石に触れてしまえば、事実上おしまいです。

基本的な事項については、今更という感じもしますので事細かには書きません。予め目一杯右側に寄っておくことと、行き過ぎと言えるほどドーンと突っ込んだ上でハンドルを切り始めることぐらいでしょうか。ただ、大型二種とは異なり、あまりにも突っ込みすぎるとそれはそれで身動きがとれなくなります。可能であれば、試験場開放練習等を利用して感覚を掴んでおくことをお勧めします。


縦列駐車

普通二種縦列駐車 普通二種縦列駐車

縦列駐車に関する基本的な作法は、他の車種と共通です。普通一種で遠い昔にやったきりで記憶していない、という方のために、念の為簡単に説明しておきます。

まず、適切に寄せて停めます。次に、安全を十分確認した上で、後退を開始し、後輪のラインが前側の柵のラインと重なったところでハンドルを切り、車体右側面のラインが丁度後側の柵のいちばん奥のポールを指すところまで傾け、そのまま直立で後退します。右後輪がポケットのラインに差し掛かるかどうかというところで逆にハンドルを切れば、車体は概ねポケットの中に収まるはずです。

二俣川試験場で注意すべき点は、まず、据え切りをしないことです。普通一種の試験、或いは教習所等では、確実を期すために一作業ごとにクルマを停めてハンドルを切って再び後退して、ということが許される場合もあるようですが、二俣川の普通二種の試験でそれをやると、間違いなく試験官からやめるように言明されます。慣れればどうということもない手順のはずですので、日頃から練習の際に途中でカックンカックン停まらない練習をするか、試験場開放練習で本番環境を利用して慣れておいてください。


方向変換

普通二種方向変換 普通二種方向変換

普通二種の方向変換は、個人的には大型二種の方向変換よりも難しいと思えるものです。流石に牽引の方向変換よりは格段に楽ですが、それでも後輪の位置を直接ミラーで確認することができない分、ただでさえ不慣れな車両感覚に頼らざるを得ず、不安感は否めません。

まず、方向変換コースに進入する時点から、極力ポケット側にベッタリと寄せることを考えます。次に、ポケットの前を通過した上で、後退しやすいように十分に前に出ます。事後の後退を楽なものとするため、多少傾きをつけつつできるだけ前に出る訳ですが、この際、前方の植え込みに触れることだけは絶対に避けてください。また、傾きをつける際には側方の安全確認も忘れないでください。

後は、ポケット側の後輪を滑らかに水切りに沿わせる感覚で押し込んでいくだけです。最初の寄せさえしっかりとやっていて、かつ行き過ぎた傾きのつけ方をしていなければ、理屈の上では反対側の前輪が接輪・脱輪することもないはずです。そのまま押し込み、「入りました」までこぎつけます。

その後、ポケットから出る際には、当然ですが後輪の内輪差に注意します。少しでも無理を感じたら、躊躇せず切り返しをして十分な間隔を確保してください。


路上試験について


路上試験に際しては、注意すべき箇所がいくつか存在します。本稿では、実際に撮影した画像をもとに、逐一解説していきます。不明な点は、直接ご自身で下見等の形でご確認ください。

転回地点 まず、転回です。試験場の正門前を抜け、大型二種が右折していく交差点を直進した左の画像の場所で行うことになります。

白い線は車道外側線です。これよりも縁石に寄せる形で、まず停車します。前後からクルマが来ていないことを確認して、そこから転回を行うことになる訳ですが、その先、特に後退開始時の安全確認はキッチリとやってください。その時点で前後からクルマが来たとしても、焦らずに予定通りのことを最後までやってください。
試験場前 試験場の正門前を通過します。見ての通り駐車場待ちのクルマが列をなしていることが殆どです。安全な間隔を確保するか、そうでなければ徐行して通過してください。

また、歩行者も多く存在します。横断歩道もありますので、歩行者を妨害するようなことがないよう、特に気をつけてください。
試験場裏 試験場の裏手、中沢町バス停付近です。向こうに見える軽自動車がいる交差点を右折していくか、或いは逆に軽自動車と同様の方向から出てくることになります。

優先順位は、この画像における自分側の本線が最も高くなります。ただ、住宅地の交差点となりますので、安全確認はしっかりとやり、たとえ不運にも優先無視のクルマと遭遇したとしても、少なくとも試験官には正しい優先関係が理解できているということを分からせる必要があります。
ニュータウン内の細い道 ニュータウンの住宅地の道路は、概ねこのような感じです。この白線は路側帯です。

試験車両でこうした道路を走る時には、普段の悪い癖がどうしても出てしまうものです。試験官はそれを鵜の目鷹の目で待ち構えていますので、くれぐれも安全確認運転に努めてください。
止まれ ひとつ前に引き続き、なんということもない住宅街の一時停止の標識・標示です。

が、これも気を抜いていると一発で試験が中止となってしまう罠になり得ます。普通二種で私が同乗した受験生の中にも、この停止線を何故か少し行き過ぎた場所で止まってしまい、終わってしまった人がいました。見通しが悪かったとしても、必ず停止線で一時停止し、必要に応じてその後で再度停まって確認するようにしてください。
今宿消防出張所 今宿の消防出張所前の交差点です。画像の右上からやって来て左の方へ右折するケースがあるのですが、その際、右折のライン取りを誤り、大回りまたは小回りと見做されるケースがあるようです。特に対向車が無い場合、注意してください。
指定場所停車のメッカ 上の画像からすぐの、旭中学校の横です。ここは街灯を目標とした指定場所停車がよく行われる場所です。それほど難しくはないと思いますが、慣れない試験車両でも左側後扉をピタリと合わせることができるよう、頑張ってください。
バス通りとの交差点 住宅街で、住宅自体やその敷地の塀のために見通しがあまりよくない十字路が立て続けに存在します。向こうの一時停止がバス通りとの交差点で、ここを左折することになります。

あの交差点には、横断歩道があります。歩行者も頻繁に通ります。歩行者妨害等と見做されることがないよう、十分に注意してください。著者はここで不覚にも歩行者妨害をとられ、終わってしまったことがあります。。。
微妙な左折 こちらは逆に金が谷方面から戻ってきた際に通るルートです。片側1車線道路がゆるやかに左カーブしており、そこにある交差点をさらに左折する形となります。変則的なため、寄せや安全確認が疎かになりやすい箇所です。注意してください。
直前合図停車の嵐 バス通りです。二俣川駅と、下川井インターの先の旭高校入口バス停を結ぶ相鉄バスが頻繁に走っており、バス停もよくあります。

このあたりで頻繁に直前合図停車の課題が行われる訳ですが、バス停の半径10m以内と交差点の端から5m以内の場所は、駐停車禁止です。路端停車も当然アウトです。停まって良い場所はかなり限られますので、注意してください。
金が谷先の狭隘路 Aコースで、金が谷の交差点の時点でまだ得点が残っていれば拝むことができる(得点がなければそのまま直進させて中原街道に出させる試験官が多い)、その先の狭隘路です。

試験官が説明するはずですが、ここは積極的に反対車線にハミ出さない限り、左側の安全な間隔を確保することができません。対向車と安全確認に気を配りつつ、出てください。
ゴール・スタート Aコースのゴールであり、Bコースのスタートである地点です。白いラインは車道外側線ですので、ガードレールが途切れているあたりに、きちんと手前まで踏み込んだ上で停めましょう。
中原街道合流注意 Bコースで、スタート地点を出てぐるっと回ったところにある、中原街道との合流です。一応、合流車線はありますが、見ての通り非常に短いものとなっています。また、この画像の撮影時にはたまたまありませんでしたが、合流車線に駐車車両が存在することもあります。

かなりペースが速い道への合流となりますので、進路妨害等、注意してください。

この他、技能試験の採点基準なども熟知しておくと良いでしょう。健闘を祈ります。





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